抗生物質を始めとする抗菌薬が効かなくなる「薬剤耐性」が世界中で拡大しているそうです。
「薬剤耐性」は、細菌が抗菌薬に対して耐性を持ってしまい、抗菌薬が効きにくくなったり効かなくなったりすることです。
近年さまざまな種類の耐性菌が確認されているそうで、抗菌剤の効かない感染症が増加することが予測されているようです。
薬剤耐性が拡大すると、感染症の流行や重症化への対策が難しくなり、特に乳幼児や妊婦、高齢者などの免疫力が弱い人は重症化しやすく非常に危険だそうです。
薬剤耐性が拡大した原因の1つとして、抗菌剤の不適切な使用が挙げられるそうです。
風邪の多くはウイルスが原因で、抗ウイルス薬などが有効であるにもかかわらず、細菌を死滅させるための抗菌剤を病院にもらいに行ったりする人もいるそうです。
必要のない抗菌薬を使用すると、耐性菌が出現する可能性が高くなるそうです。
また、処方された抗菌薬を途中でやめるなど不適切に使用すると、細菌が生き残ってしまいその中から耐性菌が出現することもあるそうで、耐性菌が周囲の人に感染することで薬剤耐性が拡大するそうです。
薬剤耐性の拡大を防ぐためには、医師や薬剤師の指示を守って必要な場合に、適切な量を適切な期間使用しましょう。
症状が軽くなったからといって途中でやめたり、回数を減らしたりすることは絶対にやめましょう。
また、以前処方された抗菌薬が残っていても自己判断で飲まないようにしてください。
似たような症状でも原因となる細菌が異なると、耐性菌が出現する可能性があるためです。
日頃から手洗いやうがい、マスクなどを着用して、感染予防をすることも抗菌薬を使用する機会を減らすことになります。
わからないことは医師や薬剤師に相談して抗菌薬に対する正しい知識を持ち、適切に使用して薬剤耐性の拡大を防ぎましょう。